前回は手術をしていただく先生との出会いまでをお話しさせていただきました。
今回はリハビリ、そして右手の痛みが出てから手術を決断するまでのお話しをさせていただきたいと思います。
リハビリ
装具での固定が始まり、痛みは次第に良くなっていきました。
私は右手が利き手なのですが、思った以上に左手も普段使っている事をこの固定期間に初めて知りました。
ですが、一番左手を使うのは演奏をしている時です。
演奏用装具があったら一体どのぐらい痛みが和らぐんだろう
早く次のリハビリの日が来ないかワクワクして待っていたのを今でも覚えています。
そしてとうとう念願の演奏用装具を作る日がやってきました。
感動!演奏用装具で痛みのストレスがほぼ無くなる
今回は楽器を持参。装具は楽器を構えた状態で作っていただきます。
あまり固定しすぎるとオクターブキーの操作に支障が出てしまうので、日常用とは異なる形で第一関節と第二関節を固定する装具を作っていただきました。
何度か試作や調整を重ね、完成した装具がこちらです。

反対側はこんな感じ。

日常用の装具は手の甲の上を通る形でマジックテープで留めていますが、演奏用はマジックテープだと手の自由度が下がるのでこちらは伸縮性のあるテープで手首に巻き付ける形で作っていただきました。

第二関節が反らないような形で固定がされているので、この時私は初めて正しい構えができるようになりました。(サイドキーの操作も支障なしです)
肝心の痛みはほぼ0!
これでまた演奏が出来る!!
骨の状態が良くなったわけではないですが、オクターブキーに指を置いた瞬間から痛みが出ていた事を考えると劇的な進化です。
先生方に心からの感謝しかありませんでした。
その後、日常用の装具も固定型から少し伸縮性のあるものに変わり、痛みが強い日は『固定』軽い日は『何もしない』or『伸縮性のある装具』というように使い分け、段々と痛みも緩和されリハビリは期間が決められている事もあり一旦通院は終了する事になりました。
恐れていた右手の痛みが出てくる
装具のおかげで痛みも落ち着き、このまま装具を付けていれば演奏していけるかも!
そう思っていました。
痛みが落ち着いてから約半年。
装具を付ける事による演奏時の違和感にも段々と慣れ始めていた頃、右手にただならぬ痛みが。。
二箇所目の病院で言われた事を思い出しました。
「右手も母指CM関節症ですね。こちらの方が症状としては重いですよ」
もちろん今通っている病院でも右手も診ていただき同じ事を言われましたが、痛みが出ていないので様子見で大丈夫と言われていました。
その右手がとうとう痛み出してきたのです。
2022年、夏。
ちょうど次の週からリハーサルが始まる。そんなタイミングでした。
楽器の調整と初めての関節内注射
まずはいつもお世話になっているリペアマンさんに相談。
左手が痛くなった際にも色々と相談に乗っていただき、私の細かな要望にも応えていただきました。
今度は右手が痛くなってしまっとことを相談。
右手親指の位置が本来より高く保てる摩訶不思議なサムフックを貸していただき、右手のキーの軽さも限界ギリギリまで軽くしていただきました。

そして数ヶ月ぶりの診察です。
先生に今度は右手が痛くなってしまった事、次の週からリハーサルと本番が何公演も続いている事を伝え、初めて『関節内注射』をする事になりました。
注射が大嫌いなのですがそんな事も言ってられません。
先生が超音波エコーで針を刺す位置を探します。
「最初だけチクっとしますよ」
…!?痛ーーーーーーーッ!!!
チクっていうレベルではありませんでした。めちゃめちゃ痛かったです。。
でも、確実に第一関節の痛みが出ている場所に命中です!
この注射は3ヶ月効果があるそうで、その間は痛みから解放される!と嬉しくなりました。
リハーサルが始まる直前だったので本当に焦りましたが、リペアマンさんと先生のおかげで無事に公演は乗り切る事が出来ました!

『ウォーリーをさがせ』ならぬ『ちゃあこをさがせ』笑


『ハリウッド版 ラ・ラ・ランド ザ・ステージ』


一気に悪くなる右手。日常生活にも支障が出始める
無事に公演は乗り切ったものの、3ヶ月持つと言われていた注射もたった3週間で効果が消えてしまい(やはり指を駆使する職業柄の影響が大きいようです)利き手はどうしても左手より日常も使わなければならない為、一気に症状が悪化していきました。
楽器演奏はもちろんの事、手が着けない、食器を洗えない、コップが持てない、お箸を持つのも痛い、ペットボトルの蓋を開けるのも段々と困難になりました。
他にも様々な事に痛みが伴うようになり、私の中で『手術』というワードが頭の中に浮かぶようになっていきました。
手術決断!
まずは先生に手術についての相談をしてみる事にしました。
手術の方法、術後の大体のスケジュール、楽器が吹けるようになるまでの期間。
そして、手術によるリスクのお話しもしていただきました。
この頃の私は痛みがかなり強く、痛みが出てしまうので練習もほとんど出来ていない状態でした。
たしかに練習量を減らせば少しは痛みが和らぎます。
ですが、これで本当に良いのだろうか
本末転倒なのではないか
リスクのお話しも伺っていたので、とっても悩みました。
ですが、術後のスケジュールも思っていたより(もちろん人によるのですが)早く復帰が出来そうな事、とにかく『痛み』というストレスから解放されたい、以前のように演奏がしたい、そんな思いから手術を決断しました。
2022年、秋。
左手の痛みが出てから約1年。右手の痛みが出てから2ヶ月半後の決断でした。
さいごに
今回は装具を使い始めてから左手の痛みの改善、右手の発症、手術を決断するまでのお話しをさせていただきました。
この頃の事を思い出す為に友人とのLINEを見返したりしたのですが、相当葛藤していましたね(苦笑)
そして私はいろんな人に支えていただいているんだなぁと改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。
次回は手術当日の大事件編です。
不安を煽ったり、手術を否定したりするようなものではないので次回も読んでいただけると嬉しいです。